肝でわかる新鮮さ。さばきたてはカチっとしているが、古いものはドレーとしている。
肉のへこんだ部分や下に汁のたまっているものは古い。
1.焼きあがったローストチキン
2.もものつけ根に包丁を入れ、切れ目を入れます。
3.反対側にも同じように包丁を入れます。
4.もも肉を広げてそのまま引きはがします。
5.中央の骨の両側に沿って包丁を入れます。
6.指を入れ、両側に広げるように引きはがします。
7.両側に引きはがすと手で簡単にはがれます。
8.これで食べやすい部分に分かれました。
胸部部分の肉で、肉はやわらかくモモ肉よりも白っぽく脂肪が少ないのが特徴。
味は淡白であっさりしています。
ロースト、フライなど焼く、煮る、炒めるなどの調理に向いています。
ビタミンAやナイアシンを豊富に含み、ビタミンAは風邪の予防、ナイアシンは皮膚炎・口内炎や神経性胃炎の予防に効果があります。
ヒトの体に必要な“メチオニン”という必須アミノ酸もたっぷり。
さらに、近年、むね肉には、ガンのもとになる活性酸素を退治してくれる物質が多く含まれているということが判明、嬉しいニュースです。 >>イラストへ
両手羽に一つずつある深胸筋の部分の肉です。
脂肪がほとんど入っていないので、その味わいはとても淡白です。新鮮なら刺身でもいただけます。赤ちゃんやお年寄りにピッタリです。
低脂肪で高たんぱくなため、ダイエットに有効です。
胃腸の弱っている時にも向いています。
ささみは肉類の中でも特に高タンパク・低脂肪なところといわれています。
皮膚や骨、血液などのもとになるタンパク質がたっぷり含まれていて、さらにうれしいことには、タンパク質には、体内でつくることのできない必須アミノ須が多いため、とってもヘルシー。 >>イラストへ
焼き鳥でもおなじみのコリコリした食感が人気のすなぎもは、鶏が持つ独特の内臓です。
脂肪がほとんどないため、かたい食感になります。
臭みが気にならないので生で食生で食されることもあります。
また「鶏内金」という漢方薬の材料としても知られていて、胃を元気にする効果があるといわれています。 >>イラストへ
鶏のレバーには、免疫力をアップしたり視力を回復してくれるビタミンAが、なんとウナギの4倍も含まれています。
さらに、レチノールというビタミンAの前駆体が大量に含まれ、体内に消化吸収されるときにビタミンAに変化します。
油で炒めて食べるとより吸収率が上がるのですが、大量に摂りすぎると肝臓が疲労するかもしれないので注意しましょう。
また、ミネラルやビタミンB2を含む栄養の宝栄養の宝庫で、糖質が少ないのでカロリーの心配もありません。 >>イラストへ
鶏の上腕から指先までの部分を「手羽」といい、上腕部分の「手羽もと」、手羽から手羽もとの部分を抜いた「手羽さき」、そして手羽さきから手指を抜いた「手羽なか」の3種類があります。
脂肪のバランスがよく、濃厚でコクのある、白くてやわらかい肉質が特長で、揚げる、煮る、スープなどの調理に向いています。
ビタミンAやビタミンB12を豊富に含み、皮膚や粘膜を丈夫にし、増血作用も期待できます。
手羽先は女性が喜ぶコラーゲンが豊富な部位で、シミや肌のタルミを予防し美肌効果バツグンです。 >>イラストへ
ももの部分の肉で、赤みがあり脂質も適度に含まれています。
さらに締まりもいいので味に甘みとコクがあるのが特長です。
ロースト、フライなど焼く、煮る、揚げるなどの調理に向いています。
日本人に不足しがちなビタミンB2や鉄分を豊富に含み、特に鉄分は鶏肉の中でいちばん多く含み、新陳代謝を高め、元気な皮膚や髪、爪をつくってくれます。動脈硬化などの生活習慣病や貧血予防に有効です。 >>イラストへ
たんぱく質は良質で、必須アミノ酸含有は豚肉や牛肉よりも豊富です。
脂質は豚や牛の約半分で、コレステロールを低下させる不飽和脂肪酸を多く含有しているので、生活習慣病を心配することなく取ることができます。
ビタミンAは豚肉の約3倍強、牛肉の約10倍と多く含まれ、皮膚や粘膜を強化し、夜盲症などにも有効に働きます。ナイアシンも豊富で、ビタミンAの働きと一緒になり、皮膚を丈夫にします。 >>イラストへ
よく「鶏がらスープ」という言葉を耳にすると思います。
この「がら」とは、鶏のくびと背部および腰の骨の部分をさします。
自宅で鶏がらスープを作るときは、骨についた不純物を落とすため、しっかり洗ってから熱湯にくぐらせ、長ねぎとしょうがを一緒に入れて煮込みましょう。そうすることで、がらの臭みをとることができます。 >>イラストへ
牛肉や豚肉に比べて、鶏の方が健康にいいといわれる理由の一つに、我々日本列島に住む人の食生活の歴史にもあります。
日本列島に住む多くの人々が、肉食をこのように頻繁に食べるようになったのは、たかだか数十年に過ぎません。日本列島に人が住み始めて14万年前とかあるいは他の説では3〜4万年前とか言われます。いずれにしても何万年前は野生の動物を捕獲して食べたかどうか、見た人がいませんから分かりませんが、遺跡から骨などが出土することからみれば食べていたと推測されます。
しかし、海や山の幸に恵まれた日本列島では、食料として必須のものではなく、その上、仏教思想から牛や豚の肉は長い間食べませんでした。肉を食べてはいけない食肉禁止令というものが何度か出されましたが、最も早いとされる禁止令は天武天皇の時代といいますから、7世紀後半の頃でした。いずれにしても、日本列島住民の大半が牛や豚の肉を食べるようになったのはここ数十年に過ぎません。それに比べて、たいした道具も力もいらずに捕獲できた鳥の肉は早くから食べていたはずです。
鶏の祖先は、赤色野鶏(セキショクヤケイ)で、現在でも東南アジアの熱帯圏に生息しています。それを家禽化したのは中国やインドで、紀元前5000年前後と言われています。日本へはいつ渡来したかは明らかではありませんが、すでに日本神話に鶏がとりいれられていることからみても、相当古いことは確かです。そして『日本食物史』(樋口清之)には古墳時代には鶏を飼育していたとあります。
このように、鶏は、最も身近で長い間日本列島住民に親しまれてきた食料であり、我々現代人にとっても大事な食料です。また、我々の肉体は、食料となった浅い歴史から牛や豚には慣れていませんが、鶏肉を食べてきた長い歴史から鶏肉の消化吸収には慣れています。そうした点が鶏肉が健康にいいと言われている一つの理由とも言えます。
鶏という漢字は紐でつないで飼った鳥のことで、古くから人に飼われ、身近に住んでいたために、鶏を使ったことわざや格言が幾つかあります。
鶏口牛後(けいこうぎゅうご)、あるいは鶏頭牛後
出典は、「鶏口となるとも牛後となる勿(なか)れ」の『史記 蘇秦伝』で、蘇秦が、韓王を説いて、秦に屈服せず戦うように勧めたときに引用した言葉。意味は、大きな集団で人の尻につくよりも、小さな集団でいいからその頭領になれという教え。
鶏犬相聞(けいけん、あいきこゆ)
鶏の声と犬の声が隣通しに聞こえる。家や村どうしが近い距離にあることのたとえ。平和でのどかな村の様子。平和を意味することもある。出典は多数あり、中でも最も古いものは老子『第80章』の有名な「小国寡民章」にある。隣国は互いに見え、鶏や犬の鳴声が聞こえるほどの近さにあっても、人民は、老いて死ぬまで行き来することはなくなる、と言う。いわば理想郷の一つとして描いている。
鶏黍(けいしょ)
出典は、『論語』の『微子編』で、ニワトリを殺して羹(あつもの)を作り、きびを炊いて食べさせること。転じて、心をこめて客をもてなすこと。饗応(きようおう)。
鶏鳴狗盗(けいめいくとう)
鶏鳴というのはニワトリの鳴き声、狗盗とはドロボウのこと。鶏の鳴き真似をして人を騙(だま)したり、犬のように物を盗んだりする、卑(いや)しい者どものこと。あるいはどんな下らない技能でも、役に立つことがあるということ。出典は、「史記−孟嘗君伝」で、春秋戦国時代のころ斉(せい)の国に孟嘗君(もうしょうくん)と言う人物の話。孟嘗君が秦の昭王に捕えられたが、既に王に献じてあった狐のかわごろもを狗(いぬ)の真似をする食客に盗み出させて、王の寵姫に贈り、その取り成しで釈放された。やっと逃れて夜半に函谷関に来たが、そこには鶏鳴までは開門しない掟があって逃げることが出来ない。そこで鶏の鳴き真似が上手な食客に鳴き声を出させ、群鶏をそれに和させるようにして開門させて脱出することができたという故事による。
割鶏牛刀(牛刀を以(もつ)て鶏を割(さ)く)」
牛を切るための大きな刀で、鶏を切り裂くの意。転じて、大事業をやりおおせるような優れた才能の持ち主を、些細な事業に当たらせる事の例え。
鶏群一鶴(けいぐんいっかく)
鶏の群れの中に、美しい鶴が一羽。凡人のうちで傑出して目立つ人物のたとえ。出典は、『晋書』で、「鶏群」は、何の取柄もない人々の集まりのたとえ。